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住まいで快適に過ごすための断熱等級について

2023年12月21日

冬を健康に過ごすために!「最低でも断熱等級4を」

断熱等級について、建築環境分野が専門の、鹿児島大学大学院理工学研究科教授、二宮(にみや)秀與さんに聞きました。

「日本で消費されるエネルギーの約1/3は建物内での利用によるものです。またその半分は住宅で消費されています。私たちは寒い時は暖房、暑い時は冷房を使用し、汗をかいたらシャワーを浴びる生活を当たり前のように享受していますが、これらは大量のエネルギーを消費することで成り立っています。
私の研究室では、少ないエネルギーで快適な居住環境を創造するにはどうしたらよいか、気象の地域性、建物の熱性能、自然エネルギーの利用などについて研究しています。」と二宮さん。

冬場、浴室などで突然体調が悪化する「ヒートショック」。室内の温熱環境が一定していないことなどが主な原因で、急激な血圧の変化を引き起こします。鹿児島県でも毎年200人前後が入浴中に突然死しており、浴室の寒さが影響しています。

国土交通省は生活空間の温熱環境と居住者の健康について大規模な調査研究を行い、居間だけでなくトイレや浴室など家中の室温が18℃以上あれば、健康的に暮らせることを明らかにしました。

そこで、健康的な家をラベルで分かるようにしたのが家の断熱等級です。現在は等級7が最高です。2025年には、新築住宅は断熱等級4が「義務付け」られるので、最低でもこの等級を守りたいところです。等級が上がれば、断熱コストは少し上がりますが、「健康面でのメリットが大きいのでしっかり断熱し、省エネかつ暖かい家にしよう」と考えてみては。

また、家のリフォームは、水回りだけでなく、屋根・壁・窓・床等も合わせて検討したいものです。予算の都合もありますが、せめて、床と窓だけでも断熱性能を上げると、住みやすくなります。窓を例に挙げると、最低でも複層ガラス、できればLow-Eガラス、そして熱を伝えにくい樹脂サッシなどがあります。

夏は日差しを遮り、冬は取り込む「窓の計画」、隙間風が入らない「気密性のアップ」なども健康的に過ごす上で考慮したい点です。「冬暖かい家は、夏涼しい家だ」と理解してください。