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自然を感じて心も体も元気に!『アウトドアリビングと ガーデンセラピー』

2019年10月12日

※本コラムは「幸せな家づくり」2019Spring・Summerに掲載された巻頭特集を再録したものです

自然を感じると、心も体も元気に


土いじりをしたり、花の香りで四季を感じたり、ハーブや野菜を育てたり、親子一緒に芝生の上で遊んだり、木陰で読書をしてみたり…。庭を思いっ切り楽しむ! これって、とても心と体にいいことなんです。
近年、「ガーデンセラピー」という考え方が注目を集めています。住まいに植物などを取り入れ、日常的に自然と接することにより、健康な暮らしと健康寿命の増進を目指す考え方です。自然を感じることにより五感を刺激し、脳を活性化。ストレスが低減され、健康増進につながるなど、うれしい効用があります。
家づくりをする人は「庭を楽しむ」こともぜひ考えてみては。暮らしの中でワクワクする瞬間が増え、笑顔とともに元気が湧いてくるはずです。庭を活用しきれていない人も、屋外で過ごしたくなるような工夫をしてみましょう。花を植えるなど、ちょっと手を入れるだけでも変わりますよ。

「家」と「庭」を一体化して考えよう

「家庭」という言葉は「家」と「庭」の2字から成っています。家族が暮らす場所は家と庭が一体となった空間である、というわけです。日本古来の家に対する考え方に「庭屋一如」というものもあります。家と庭を別々に考えるのではなく、一つの空間として捉えるのです。
日本建築では庭園に力を入れます。四季を彩る草木を植栽し、池や岩を配置して景色をつくり上げる。その庭を家の中からも眺められるように、建物は視界が開けた構造です。屋内と屋外の間には縁側もあり、庭の自然を間近に感じながらくつろぐこともできます。
庭には家の中を快適にする働きもあります。例えば、家の南側に落葉樹を植えると、日射遮断と蒸散効果(葉から水が蒸発する際に温度が下がる)で夏の熱気を抑え、家の中に涼しい風が入ってきます。芝生や池も温度を下げます。一方、冬は葉が落ちて、暖かな日差しが家の中に入ります。
家周辺の狭い範囲の環境を「微気候」といいます。この「微気候」をうまくコントロールすることで、住み心地のよい家が実現します。

五感を刺激する、四季のある暮らしを

園芸で植物に触れる、青葉や紅葉に見とれる、風にざわめく葉の音を聴く、花の香りを楽しむ、育てた野菜を味わう…。庭に出ると五感を刺激することがいろいろあります。これらの刺激は脳を活性化させ、ストレスに強くなり免疫力も高まるということです。脳への刺激は、認知症予防にも効果があるともいわれています。
また、四季を感じることも、良い刺激になります。そのためにも、季節感のある植物を植えるようにするといいですよね。庭には、落葉樹を1本は植えておきたいところ。落ち葉の掃除が面倒だと避ける人もいますが、ガーデンセラピーの観点からは四季を感じる絶好の素材です。春は新芽が芽吹き、夏は青葉が茂り、秋は紅葉して、冬は葉が散る。花が咲いたり、果実がなったり、といった楽しみもあります。
草花にも季節を感じられるものが多く、花壇作りもお勧めです。気軽に栽培できるので、好みの花をいろいろ試してみましょう。アサガオやゴーヤのように、夏場に緑のカーテンとして活用できるものもあります。
庭で育った果実や野菜を食べるのもいいですね。味覚で四季を感じられます。

緑視率を高く

緑を見ると安らぎを感じ、情緒を安定させる効果があります。
緑視率が25%以上のとき、人は「緑が多い」と感じるそう。緑視率とは視界の中で緑の占める割合です。森の中や公園など、安らぎを感じるところは緑視率も高くなっています。
自宅の庭でも緑視率を確認してみましょう。「足りない」と感じたら緑を追加します。草花の種をまいたり、芝生を入れたり、鉢植えやプランターの植物を置いてもいいです。


●監 修
ガーデンセラピーコーディネーター
有村 信一さん
(リビングプラザ滝の神 代表取締役)
・「リビングプラザ滝の神」HP
https://www.takinokami.co.jp/