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「日本では、2007年(平成19年)に生まれた子どもの半数が、107歳より長く生きる」と推計する研究報告(※1)があり、「人生100年時代」という言葉を耳にするようになりました。
健康寿命が世界トップクラスの長寿社会を迎える一方で、わたしたちの暮らしを守る家の健康寿命は果たしてどのくらい延びているのでしょうか。
ASJ霧島スタジオの末廣浩二さんは、今から20年前に、築25年たっていた実家を大規模改修しました。親が建てた家を住み継ぐために、「自分たちの生活形態に合わせてリノベーションすればまだ使い続けられる」と考えたからです。
「部屋の用途は時代によって変わります。設備も長くは持たないので入れ替えます。耐震法も変わるので、さらに100年後は今と違っているでしょうが、耐震を2倍にすることで、躯体は1.5倍になります」
1998年の税制改正後、建物の法定耐用年数が木造22年、重量鉄骨造34年、鉄筋コンクリート造47年といわれる中、「木造の場合、湿気による腐れは仕方ないです。都会では集成材を使う人も多いですが、今はグリーン材を人工乾燥材にすることで耐久性も上がっています。鉄骨も外に出る部分を亜鉛メッキすることで、露出部分は腐食しなくなってきています」。
末廣さんは平成7年の阪神淡路大震災以降、耐震構造の考え方が変わったといいます。
「建物の倒壊による圧死や窒息死が多発したことを教訓に、倒壊しないうちに避難できるだけの強度を持たせましょう、という考え方なんです。それなら耐震壁を増やせばいいか、接合部金物を増やせばいいか、というと、そう単純でもなく、2000年6月の建築基準法改正以降は、重心計算の重要性が説かれています。長く持つ家にするには、重心バランスを取り、基礎構造をしっかりしておくことが大事だというのは、建築に携わる誰もが理解するところです」
※1Human Mortality Database, U.C. Berkeley(USA) and Max Planck Institute for Demographic Research(Germany)
国土交通省では、【従来の「つくっては壊す」スクラップ&ビルド型の社会から、「いいものを作って、きちんと手入れをして長く大切に使う」ストック活用型の社会への転換を目的に、長期にわたり住み続けられるための措置が講じられた優良な住宅(=長期優良住宅)を普及させるため、「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が平成20年12月5日に成立し、平成21年6月4日に施行されました】と同省のホームページでうたっています。
関係資料によると、平均築後年数がイギリス77年、アメリカ55年に対し、日本は30年で、住宅寿命の短さが際立っています。