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【変化する住まい事情】vol.3 住まいと和室

2022年3月4日

和室にはどんな存在価値があるでしょうか

 住まいの床面積に占める和室の面積はどんどん少なくなり、四間仕切りの田の字型プランは洋室のLDKに変わり、和室の用途も二間続きの和室に親戚が集うことは少なくなりました。
 近年では、来客の宿泊用やお仏壇が置ければといった理由で和室がかろうじて残されている状況で、和室を持たない住まいも多く選ばれています。
 和室はイ草の床に土塗りの壁、木天井といった身近な自然素材に囲まれた空間でした。外からの明かりは木と和紙づくりの障子を通してのほのかな間接照明。障子を開ければ、庭につながる半屋外空間の広縁が広がります。
 同じ和の空間でも、お寺のような場所では背筋が伸びるピリッとした空気感となり、離れのお宿のような場所では日頃の疲れを癒やすほのぼのとした雰囲気にもなります。
 感じ方一つ、設え一つでさまざまに表情を変える和室のある暮らしを楽しんでみませんか。

▲「丸窓」からのほのかな明かり
▲障子が上下にスライドする「雪見障子」

執筆者: 本房美保
薩摩川内市で設計事務所を開設する一級建築士。数寄屋建築と出合い、わびさびの世界の奥深さに魅了される。わびさびを感じる心豊かな空間づくりを目指す。わさびのわ代表