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【流域と共にSumu(すむ)】vol.3 再生可能オフグリッドライフ

2024年2月28日

 Sumu Yakushimaでは、全てのエネルギーを流域の自然から得る生活を実践しています。電力は全量オフグリッド、つまり町から供給される電気から切り離して生活することが可能です。屋根の上に注いだ太陽光で発電し、大容量の蓄電池へ。化石燃料は一切使わず、熱源は電気と薪(まき)のみ。流木や森の整備から発生した薪でストーブで暖をとったり、料理にも使います。流域の循環の中からエネルギーを得る、再生可能でカーボンニュートラルな生活スタイルです。

▲太陽光パネルで発電した大容量の電力を床下に設置した蓄電池にためます

 私たちは通常、エネルギーを公共的な基盤(インフラ)に頼って生活をしていますが、日本では自然災害により生活が一変するリスクが常に存在します。この度の能登半島地震の災害では、現在も多くの集落でインフラが寸断し避難生活を余儀なくされている人がたくさんいらっしゃいます。エネルギーの自給自足が可能なライフスタイルを皆で実践していたら地域全体で食料や電力も分け合い、助け合って生きていくことが可能になるのではないでしょうか。
 Sumuが実践するような、公共インフラに頼らず個々人や小さな集落単位でのオフグリッドなライフスタイルが、これからますます普及していくことを願ってやみません。


執筆者:小野 司

tono代表。2020年、コロナを機に屋久島に移住後、完成させたSumu Yakushimaは国内外のアワードを多数受賞。自然の水や風の流れ、土中の菌も活用し、人にも自然にも優しいリジェネラティブな建築設計・デザインを得意とする〝菌築家〟