鹿児島の家、新築・リフォーム応援サイト!

初めての家づくりで知っておきたい基礎知識。一般的な家づくりの流れ、災害に強い家づくりを知ろう!

2019年10月22日

「そろそろわが家が欲しいなあ」という思いが膨らんだ今こそ家づくりの絶好の機会。しっかりとした知識を身に付け、マイホームの夢をかなえましょう。

PART1 一般的な家づくりの流れをチェックしよう

まずは理想のマイホームを形にするために、いつ何をするべきかを見てみましょう。

1.予算を決めよう

□教育・マイカー・老後資金など人生全体に必要な金額を考え、家に掛けられる総予算を知る
※家を建てる時には、土地代と建物代の他、手続き代などの諸費用もかかるため、予算に入れておく
□自己資金やローン返済可能額を確認する

2.土地を決めよう

□総予算の中から土地の予算を決めて探す
□土地の形状を確認する
□接続道路を確認する
□上下水道や近隣との境界の状況を確認する

3.建築の依頼先を決めよう

□ハウスメーカー・工務店・建築設計事務所などから選択
□情報を集める
・ 住宅情報誌を買う
・ パンフレットをもらう
・ インターネットを活用する
・ 住宅展示場を訪問
・ オープンハウスを見学
□依頼先を3、4社に絞る
□予算や要望を伝え、基本設計と概算の見積もりをもらう
※見積もりでは、諸費用の詳細まで把握する
□1社に絞る

4.工事契約を結ぼう

□設備や仕様も盛り込んだ実施設計と本見積もりをもらう
□疑問点はきっちりと詰めて確認する
□契約条件・スケジュールを確認する
□納得できたら工事契約を結ぶ
□建築確認申請を代行してもらう

5.住宅ローンの申し込みをしよう

□融資申し込み先の金融機関に書類を提出
□借入申込書・印鑑証明書・住民票謄本・団体信用生命保険申込書・不動産登記簿謄本など必要書類を用意しておく

6.地鎮祭を行い、着工しよう

□工事の安全・家族の末永い繁栄を土地の神様にお願いする地鎮祭の準備を行う
□工事期間中は迷惑をかけるので、手土産を持って近隣にあいさつ回りをする
□地鎮祭を終え、着工する

7.上棟式をしよう

□柱・梁・桁(けた)などの骨組みが完成し、一番高いところに棟木が組まれたら上棟式を行う
※上棟式とはそれまでの工事の無事とその後の工事の安全を祈願し、建て主らが屋根の上から餅やお金をまくこと

8.竣工検査を終え、引き渡しを受けよう

□屋根・外壁・設備・室内造作をチェックする
□設計担当者・工事担当者・建て主の3者が立ち会って、設計図通りか最終チェックする
□不具合があればはっきり指摘して対応してもらう
□役所に工事完了届を提出。完了検査を受け、検査済証をもらう
□住宅の保証書などの必要書類とカギを受け取る

9.引っ越し・各種手続きをしよう

□工事代金の残額を支払う
□引っ越しのための見積もりを数社から取る
□引っ越しを終えたら、近所へのあいさつをする
□ガス・水道などの使用手続き、建物表題登記・所有権保存登記・抵当権設定登記などを行う

PART2 自分たちにぴったりの依頼先は?

家づくりをどのように進めたいのかを考えながら、まずは下のタイプ診断にチャレンジ。A~Cの三択で1番多く当てはまる項目が、あなたにぴったりの依頼先かも。

Q1.どこまで依頼先に任せたい?

□ A 土地探し、資金計画なども任せたい
□ B 設計と施工監理を任せたい
□ C 設計から施工まで任せたい

Q2.どんな設計デザインが欲しい?

□ A パッケージ化された設計デザインが欲しい
□ B ちょっと斬新な設計デザインが欲しい
□ C 自分の要望に柔軟に対応した設計デザインが欲しい

Q3.どんなタイプの家に住みたい?

□ A 設備や仕上げが規格化された家に住みたい
□ B 特別仕様の家に住みたい
□ C 地域の素材で地域の特性に合った家に住みたい

A が多い人はハウスメーカーへ
B が多い人は建築家へ
C が多い人は工務店・設計事務所へ
※同数の場合は、当てはまる全てのタイプをチェック

依頼先の特徴

発注の仕組み

依頼先の決定

依頼先候補を3~4社に絞り込み、こちらのイメージや要望を伝え、基本設計と概算見積もりを提案してもらいましょう。金額だけでなく希望に沿ったプランかどうか、お互いに信頼関係を結べるところかなどを比較検討して決めましょう。選定から外れた会社には丁重に断りをするのがマナーです。

PART3 工法を知ろう

家づくりの工法にはそれぞれ特徴があります。自分の理想とする家を建てるためには、それぞれの工法をよく知って依頼先を選ぶことも大切です。

[ユニット工法]

各部屋や玄関、階段などをすべて、内・外装パネルや設備機器などを組み込んだユニットとして工場で生産し、それを現場でクレーンを使って積み木のように組み立てて家をつくる工法です。品質の安定と精度の高さ、工期の短さなどが特長です。

[鉄骨系プレハブ工法]

鉄骨系には軽量鉄骨造と重量鉄骨造の2種類があり、主として軽量鉄骨が用いられます。柱・梁で支える軸組み工法、面で支えるパネル工法、軸組みとパネルの併用工法に大別され、いずれも強度が高いことが特長です。

[木造軸組み工法]

日本の伝統的な家の建て方で、「在来工法」とも呼ばれます。柱や梁、桁などで骨組みをつくり、角材や板を縦横に組み合わせて建物の構造をつくります。加工が容易でどんな間取りやデザインにも柔軟に対応でき、リフォームしやすいのも特長。筋交いを入れたり、部材の接合部に補強金具を用いるなどして耐震性を高めています。

[鉄筋コンクリート造]

一般に商業ビルや集合住宅など規模の大きい建築物に用いられます。耐震性・耐久性が非常に優れ、大きな空間確保も可能です。あらかじめこの工法で基本的な躯体をつくっておき、家族構成の変化やライフスタイルの変化に伴ってリフォームや最新設備への交換をしながら長年住むという住み方に向いています。

[木質系パネル工法]

床・壁・天井をパネルで構成する施工法で、2×4工法と同じく6面体のボックス構造になるため耐震性に優れています。ハウスメーカー独自に開発したパネルを工場で生産し、現場で組み立てるため工期が短いのも特長です。

[2×4工法]

北米の伝統的な木造住宅の建て方。断面が2×4インチを主体とした木材で枠を組み、それに構造用合板を釘打ちした枠組み壁で構成していく工法で、「枠組み工法」とも呼ばれます。壁・床・天井の6面体の箱型構造で、地震などの外力を面全体で吸収・分散し、揺れや衝撃に強さを発揮します。

これから家づくりをするに当たり、よく目にするのがこれらの間取り図や記号。中でも間取り図によって、費用が決まり、工事が進められます。さまざまな決まりごとを事前に知っておきましょう。

PART4 土地選び

土地は、家族の生活が長年にわたって営まれる重要な場所。建築に大きな制約のある土地ではないか、地盤はしっかりしているか、自分たちのライフスタイルに合っているか、街の雰囲気はどうか…焦らず納得いくまで探しましょう。

Check1 家が建てられる土地なのか?
家を建てるには原則として「幅員4m以上の道路に2m以上接している土地」であることが建設の条件。道路が4m未満の場合、不足分は宅地から削られることになります。電気・水道は引かれているのか、また引き込みが可能なのか、農地の場合は宅地に転用できるのかの確認も必要です。

Check2 用途地域は何に該当?
土地には用途を大まかに定めた用途地域指定がなされていて、全部で13区分されています。それぞれ建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)、容積率(敷地面積に対する延床面積の割合)、住宅中心か、マンション・オフィスビル・店舗・遊戯施設などが建設可能かなどが分かります。用途地域によって家の大きさを考えたり、将来の周辺環境を推測したりできます。

Check3 家族を取り巻く生活環境は?
そこにどのようなマイホームを建て、どういったライフプランで生活するのか。将来設計も含めたイメージを持ち、そのイメージに合った生活環境の場所を探すことが土地選びには大切です。小中学校等の教育施設やスーパー、金融機関や医療機関など毎日の通勤・通学・買い物の利便性や、公園など休日の活動圏・生活圏にも気を配り、家族全員で話し合いましょう。

Check4 日当たりや風通しは?
快適な住まいには、日当たりと風通しのよいことが必須条件です。日当たりや風通しを考えると、「東と南が道路になった角地で、東西に長い土地」が住宅地として理想的だといわれますが、価格が高くなります。多少条件が悪くても建物の配置や設計で改善できるので、ベストでなくてもベターな土地を探しましょう。斜面の場合、緩い南下がり斜面や南東下がりの斜面が日照・通風からも理想的です。

Check5 地盤はしっかり
後方が崖や山だったり、切り取り地・盛土地・川の近く・軟弱地盤などの場合、大雨などによる鉄砲水・山崩れ・土砂崩れ・洪水・地震などの災害に対して安全かどうか要注意です。地盤や自然災害などの履歴は自治体で公開しているので、事前に確認しておきましょう。地質や土壌、埋設物などについても確認する必要があります。地盤が緩いと欠陥住宅の原因となり、酸性土壌や残留重金属などがあとから発見されるケースもあります。

Check6 何度も訪ねてみる
土地探しは、できれば設計の分かる人と一緒に行きたいものです。自分たちで行く場合、気に入った土地が見つかったら一度だけで済ませずに何度も足を運んでチェックしましょう。できるだけ平日で雨の日に電車やバスで行き、自分の目と足で確かめてみることをお勧めします。平日だと近隣の工場操業などに伴う騒音や臭いなど、雨の日だと敷地や道路の排水状況、電車やバスだと交通の便や交通量などが分かります。

PART5 エコな家づくり

地球温暖化やエネルギー問題から、環境に配慮した暮らし・住まいが求められています。エコな家づくりを検討してみませんか。

1.かごしま木の家

木は、光合成により大気中の二酸化炭素を吸収し、酸素を放出しながら、炭素を蓄えます。木材として製造時に放出する炭素量も少ないことから、環境に優しい材料といわれています。
鹿児島県では、地元の木材を活用した家づくりを推進し、認証制度を設けています。「かごしま木の家 金利優遇制度」は、「かごしま材」を使用し、「かごしま緑の工務店」が建てた「かごしま木の家」の新築・購入に対して、住宅ローンの金利が優遇される制度。金融機関と県が連携して、住宅ローンの金利の優遇を行うことで、かごしま木の家づくりをバックアップしています。
▼取扱金融機関など詳しい情報は、鹿児島県かごしま材振興課(☎099-286-3366)へ

●用語解説
◆かごしま材…県内の森林から生産され、県内の製材所等で加工された木材のこと
◆かごしま緑の工務店…「かごしま材」を積極的に使って家づくりに取り組む大工・工務店など。登録制となっていて、現在県内180社が登録(2019年10月1日現在)
◆かごしま木の家…「かごしま緑の工務店」が県内に居住用として建築する木造の新築または増改築の住宅で、「かごしま材」を10㎥以上使用することが条件

2.ZEH(ゼッチ)ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス

ZEHは、住宅の高断熱化と高効率設備により、快適な室内環境と大幅な省エネルギーを同時に実現した上で、太陽光発電等によってエネルギーをつくり、年間に消費する正味(ネット)のエネルギー量がおおむねゼロ以下となる住宅です。
経済産業省では、2020年までにハウスメーカー等の建築する注文戸建住宅の過半数でZEHを実現することを目標に、普及に向けた取り組みを行っています。
▼詳しくは、経済産業省 資源エネルギー庁のホームページで「ZEH」を検索
http://www.enecho.meti.go.jp/

3.長期優良住宅

耐震性・耐久性、メンテナンス性に優れていて、省エネルギー性の高い、長く快適に暮らしていけると認定された住宅。住宅ローン減税やフラット35借入時にも優遇が受けられます。
▼詳しくは、国土交通省のホームページで「長期優良住宅」を検索
(http://www.mlit.go.jp/)

PART6 災害に強い住宅づくり

災害に見舞われやすい日本。特に鹿児島では、台風や豪雨への対策も求められます。災害から家族や財産を守る住まいづくりについて、知っておきたい基本的な事柄を紹介します。

1.台風への対策

台風に強い家は、風を受ける外壁の風圧とバランスなどに考慮した耐風設計がポイント。また、雨水を侵入させない耐水性のある外壁・窓・屋根などの素材や造りも必要です。

2.地震に強い住まいづくりのポイント

①地盤をよく知り、地盤調査を受けましょう
②建物を支える基礎をしっかりと
③家の重さを支え、横からの力に耐える耐力壁のバランスが大事

3.火災への対策

建築基準法では、燃えにくい家づくりや燃え移りにくい街づくりをするための基準を設けています。屋根や外壁、窓ガラス、内装材も燃えにくいものにし、燃えても有毒ガスの出ない素材を使うなどの対策が必要です。間取りも、すぐに安全に避難でき、隣に燃え移りにくくする必要があります。

●土地の特性や歴史を良く知ろう
家の建築は国が設けた安全基準をクリアしなければ建築することができず、その範囲内で、耐震等級、耐風等級などが定められています。
家を持つ側として注意したいのは、まずは土地選び。被災した地を調べると、実は過去にも大災害を経験していたということもあるものです。地元の人に話を聞くなど、土地の歴史を知ることも必要です。
住宅性能表示制度と住宅瑕疵(かし)担保責任保険
住宅性能表示制度は、住宅品確法に基づく制度。国の登録を受けた第三者機関が住宅の性能(構造、バリアフリー、省エネなど最大10分野)について審査・検査を行い、等級や数値などで性能を表示します。費用は、審査機関や住宅規模、評価を希望する分野により異なりますが、10万円程度からです。
住宅瑕疵担保履行法に基づいて、住宅事業者が掛ける保険が「住宅瑕疵担保責任保険」。雨漏れや構造の欠陥が見つかった場合、保険を活用して補修が行えます(万が一、事業者が倒産した場合にも保険が適用できます)。