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カフェから学ぶ心地よい空間づくり。自分好みのインテリア選びや空間づくりのお手本に!

2019年10月30日

※本特集は「幸せな家づくり」2017Spring・Summerに掲載された巻頭特集を再録したものです

 鹿児島に居ながらにして外国の風を感じたり、ヴィンテージに時を越える気分を味わったり…。立ち寄りたくなるカフェは、自分好みのインテリア選びや空間づくりのお手本です。
「居心地のいい店にしたい」とい口を揃えるすてきなカフェの店主たち。あなたの家づくりに、そのエッセンスを取り入れてみませんか。

フィーリングを大切に、遊び心をプラス
『LIVI THE 5』
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緑のある空間で、コーヒーと過ごす豊かな時間を
『POT A CUP OF COFFEE』
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手作りリノベーションカフェでヴィンテージのぬくもりを
『HIDE+SEEK』
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いろんなワクワクを詰め込んで、おもちゃ箱のような楽しい空間
『Take』
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白いキャンパスを彩る美しい草花と暮らしの道具
『ao-ya apartment store』
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穏やかな時間流れる美山で、感性豊かに暮らしを楽しむ
『夏ノ庭』
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シンプルな美しさは本質にこだわる姿勢から
『CUCURRUCUCU』
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ファッションのように少し外すおしゃれ感を

カフェのメインスペースは、たくさんの物が集まる家のリビングのよう。あえて違うデザインを選びつつも、色をモノトーンと茶だけに抑えることで、落ち着く空間に


天文館公園がリニューアルされてから、街の表情が変わりつつある千日町界隈。外に開いたショーケースにケーキが並び、テラス席で楽しげに語らう人の姿に、中をちょっとのぞいてみたくなるようなダイニングカフェは、「リビ ザ ファイブ」。社長の吉留政幸さんは、飲食店経営の他、住宅や店舗のデザインも手がける空間づくりの名手です。
店名には5つのリビングという意味も含まれているそうで、ソファ、カウンター、テラスなど、5つの違う雰囲気の席が用意された空間には、家づくりの参考にしたい要素がたくさん詰まっています。
「心地よい空間は人それぞれのフィーリングが大切ですが、私は、少し外すコーディネートを心掛けています」と吉留さん。このカフェはコンビニからのリノベーション。床材をはがした面白い風合いを生かそうと、床の下地はあえてむき出しのままにしたり、利便性を優先せず、スキップフロアを設けて空間にメリハリを作るなどの工夫を施しました。
外すコーディネートの極意は、家づくりにおしゃれな遊び心を取り入れるということ。そのコツを尋ねると、「硬質な素材に、流木やドライフラワーを飾るなど、異質な物の組み合わせもひとつのアイデア。遊びやすいよう、壁に棚を付けておくと便利ですよ」と教えてくれました。
子ども部屋に応用できそうなスペース。縦型ブラインドと引き戸を設け、用途に応じて部屋を仕切ったり開放したりすることができます

ソファはファブリックで遊ぶと、いろんなテイストが楽しめます。こちらは、ニューヨークで人気のネイティブ柄

本棚かと思いきや、そこはトイレのドア。これも外しのテクニックのひとつ。トイレの壁面には本をデザインした壁紙が

テラス席には、屋外をイメージした椅子やテーブル。照明は部屋の印象を大きく変えるので、こだわって選ぶのがお勧め

LIVI THE 5(リビ ザ ファイブ)
鹿児島市千日町8-14‐1階
TEL:099-227-3181
Instagram:@livithe.5
facebook:CafeDining LIVI THE 5
あつあつのクロワッサン生地にアイスクリームなどをトッピングしたロパローレ

自由な発想で楽しむコーヒーとグリーン

広々とした店内。「テーブル同士の距離感で居心地が変わるので、圧迫感がないよう配慮しています」と安田さん。視界に植物が入るのが癒やしです


鹿屋の大通りから脇に入った道に現れる巨大な倉庫。扉を開け、植物が並んだ園芸店&セレクトショップ「アラヘアム」を奥に進むと小さなカフェ「POT A CUP OF COFFEE」があります。「日常生活を送る上で、ほっと一息ついてコーヒーを飲む時間をもっと豊かに楽しんでほしい」と店主の安田さん。丁寧にハンドドリップされたコーヒーの香りが広がるお店です。
落ち着ける空間づくりを追求した店内。コーヒーに詳しくないお客さんも選びやすいようにと、カウンター上の黒板にはお勧めを手書きで説明。席に着けばちょうど目線の高さに本棚があり、ゆっくり本を読みたくなります。壁に飾られたコーヒー豆の絵や本棚に並ぶコーヒー科学の本。それらがコーヒーの魅力を伝えたいという安田さんの情熱を代弁しているよう。ストイックな職人さんの仕事部屋のような雰囲気が感じられます。
コーヒーを入れながら会話を楽しめる対面式のカウンター

植物用のラックを商品棚に。本来の用途とあえて違う使い方をしてみることで程よい抜け感が生まれます

倉庫の中に木の壁を張って囲った店内。ヒビの入ったコンクリート打ちっ放しやさびた鉄骨など無機質な倉庫の素材はそのままに。程よいラフさが心地よく、肩の力を抜いてくれます。
植物は、見せたい形や葉の造形の面白さを意識して一番きれいに見えるよう飾られています。枝が美しい曲線を描く鉢植えや、苔(こけ)と多肉植物を共存させたガラスの器などが置かれ、植物はもっと自由な発想で楽しんでいいんだという心意気が伝わってくるよう。
この温室のような空間で思い思いにコーヒーの味と香りを楽しむーそんな時間が一番ぜいたくな気がします。自宅にもコーヒーを中心にした癒やしの空間を作ってみたくなります。
木の板を縦や横に配置して壁を作り、木目を生かした変化のある空間に

鉢をガラスにすることで、苔の緑色もよりみずみずしい印象に。植物は器もこだわって探したいもの

POT A CUP OF COFFEE
(ポット ア カップ オブ コーヒー)

鹿屋市札元1-24-7(ARAHEAM内)
TEL:0994-45-5564
Instagram:@pot_a_cup_of_coffee
HP:https://potacupofcoffee.com/
おいしいコーヒーは、相性の良い焼き菓子と一緒だとより楽しめます

好きな物の収集が家づくりの始まり

足踏みミシンの脚部分を使って自作した大テーブルを中央に、椅子の形はさまざまながら、同じ深緑のビロード布を張られて統一感が。席に着くと、懐かしさを感じるライトや調理器具が眼を楽しませてくれます


「メルボルンのすてきなカフェ文化を鹿児島でも」と、オーストラリアでコック修業をした浦野英士さんが、妻の故郷で開いた「ハイドアンドシーク」。
「作れるものは何でも作りたい」と、パンやソースまで手作りですが、実は内装も、引退した大工の手を借り、一緒に店を切り盛りする妻や義母姉妹と共にDIYで作り上げました。
築30年以上のマンション2室の壁を取り壊してリノベーション。テーブルやカウンターを作り、チェアを張り替え、和だんすを塗り替えて洋風にするなど大改造したのです。
インテリアとしてのみの市で集めたヴィンテージのキッチン用品を上手に使っている他、タイル張りのおしゃれなトイレには、お風呂の面影が。古い物の再利用を楽しむわくわく感が、カフェに温かみを添えています。

廃材を利用して作ったカウンターや棚には、ビンテージ雑貨が並び、販売もしています

小さな庭にはウッドデッキを張ってテラス席を。花やハーブ、小鳥を眺めながら俳句を詠む人の姿も

HIDE+SEEK
(ハイドアンドシーク)

鹿児島市唐湊1-14-60-1階
TEL:099-255-2166
facebook:https://potacupofcoffee.com/
手作りパンを使ったランチや、手作り焼き菓子はティータイムのお供に

面白さを追求して何度も試行錯誤した内装

黒いボードに飾られたポートレート。暗闇を背景にして後ろからライトを当てたことで、女性の表情や赤く塗られた爪が浮かび上がってくるような存在感です。大胆な壁の使い方がニューヨークのアートシーンのよう


鹿屋の街中にあるガラス張りが印象的な2階建て。鹿屋の黒豚や黒牛を産地価格で提供するお店です。
「リラックスして過ごせるように、視線がかぶらない工夫を意識しました」と竹中さん。鉢植えや本棚を巧みに配置して、開放感がありながらも落ち着く店内です。
内装は楽しさを追求して常に作り変えているそう。黒板を取り付けて自由にチョークで書き込める壁。天井からぶら下げられたいろんな色やデザインのペンダントライト。思い切り空間を広く取った壁一面には、アーティストの絵を飾ったり、カメラマンのポートレートを飾ったりと1年ごとに雰囲気を変えます。
どうしたらワクワクするかを追求した内装の数々。「楽しい」を大切にした大胆な内装も、他を引き算しながら取り入れてみたいと思わせてくれます。
書いてもすぐ消せる黒板は自由な発想で書き込めます。チョークアートも楽しめそう

カラフルな布使いのソファに星型のペンダントライト

少し無造作に置かれた植物と飾るように並べた海外の写真集が、癒やしのひとときを演出

Take(テイク)
鹿屋市北田町5-5
TEL:0994-45-7321
facebook:テイク-take
贅沢お肉の盛り合わせ。焼き野菜も添えられ大満足の一皿

四季の変化を感じて何気ない暮らしを丁寧に

入り口脇に大きな植木、テーブル上の切り花、そしてたんすの上に大きく生けた梅の花。白を基調とした空間はどんな草花も美しく映えます。天井を解体して現れた鉄骨のレールが柔らかい空間を引き締めるアクセントに


「長年使っても、色あせない実用的かつ美しい暮らしの道具を提案したい」と、古い一軒家を改装してオープンした「aoーya apartment store(アオヤ アパートメント ストア)」。
「オレンジ色だった天井を3度塗りでなんとか白く仕上げました」とほほ笑む大塚さん。ジャージに長靴、ペンキを浴びながら奮闘した頃がうそのように清涼感ある空間。たんすや竹の棚など素朴な和のテイストが程よくミックスされ、穏やかな空気が流れます。
床材は清潔感があり白と相性の良いヒノキをセレクト。水玉のような節の模様が楽しい気持ちにさせてくれます。
春を告げる梅や桃の木。万葉の昔から親しまれた淡い紫のフジバカマ。季節の草花が白い壁に色を添えています。こんな風に野の草花を飾って四季の変化を楽しめたら、毎日の生活がいとおしくなりそう。
白いのれんが清潔な佇まい。模様のないシンプルなデザインがどこか北欧的にも見えます

機能性・デザイン性ともに兼ね備えた雑貨で日常生活を整えたら、洗練された空間が生まれます

テーブルを囲む椅子は一つひとつ違うものをセレクト。あえてそろえすぎないラフさが落ち着きます

ao-ya apartment store
(アオヤ アパートメント ストア)

霧島市国分広瀬3-6-44
TEL:0995-47-3502
facebook:aoyaapartmentstore
Instagram:@aoyaapartmentstore
看板メニューの卵焼きサンド。口の中でふんわりほどける優しい味

古き良きものに手をかけて今になじませる

「陰影を作ること」を意識したという空間。見えない場所や光が生み出す影。これらが全体に情緒や情感を与えてくれるのだそうです。ちょこんと置かれた薬瓶や古い陶器に飾られた野の花がかれんです


美山の街の佇まいに引かれて工房とカフェを構えた吉田さん。新築した店舗には、コツコツと買い集めてきたアンティークの家具や建具が使われ、古いものと新しいものが調和しています。
「時を経て出会えたものは、捨てられず残された魅力があります」。古いミシンは塗装を剥がして磨き直してテーブルに。古いものだからこそ、そのまま使うのではなく現代になじむよう丁寧に手をかけてあります。
壁に飾られた“元”柱時計。機能しなくなった時計を取り外して中に花瓶を入れ、新しい役割を見出します。
昔の家具たちは妙な愛らしさがあるそう。ピタリと空間にはまる機能性がないからこそ「どんなふうに使おうか」「何と組み合わせようか」と自由に工夫する余地があります。だからこそ古いものは楽しくて想像力をかき立てられるのだそうです。
本棚は古くなった背板を剥がして使っています。本を並べたり、置いたりと、自由なレイアウト

モルタルが塗られたカウンター。木のレールを設置して冊子やポストカードを置ける場所に

木のランプシェードが光を優しく包んでくれるよう。木目の風合いそれぞれに個性があります

夏ノ庭
鹿児島県日置市東市来町美山1697-2
TEL:099-295-3043
Instagram:@natsu_no_niwa
吉田さんが作った木の道具。優しい時間の流れるコーヒータイムに

オープンキッチンに全てを見せる潔さを

「大きめのテーブルや少ない席数は、プライベートを保てる距離感を意識して作られたもの。厳選された最小限の物が、すっきりとした印象と安らぎを感じさせてくれます。スピーカーから流れる心地よい音楽もアクセントに


洗練された佇まいの「CUCURRUCUCU(ククルクク)」は、静かな住宅街にある自家製のパンや焼き菓子で人気のカフェ。店主の伊集院浩久さんが「居心地のいい空間は、片付いて物がなく、自分の居場所があることかな」と話すように、デコラティブを廃したインテリアと、ゆとりを持ったスペース使いが印象的です。
壁一面は黒板仕立て。書かれたメニューの文字も内容もいたってシンプル。料理とインテリアに共通するのは、流行やアレンジを追うのではなく、本質を大切に、長く愛されてきたものを供すること。テーブルやチェアは特注に、ティーポットはイギリスの伝統的なハンドメイドをそろえました。
「太陽の光を感じられるカフェを」という言葉通り、大きな窓から差し込む日差しに、季節の移り変わりを感じとれる場所です。
雑事を離れ、コーヒー片手に風に揺れる緑を眺めてほっとする時間。自宅にもそんなスペースがあるとうれしいもの

モノトーンの壁にライトの温かい色合いが映えます。照明の形や高さを変えるだけで、雰囲気はぐっと変えられます

CUCURRUCUCU
(ククルクク)

鹿児島市永吉2-1-10
TEL:099-297-4337
facebook:CUCURRUCUCU
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