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【吉松こころの住まいの心得】親から資金提供を受けて家を建てるときの注意点

2021年7月2日

 家を建てようと思うと、気になるのはその資金です。住宅ローンを組む人が多いと思いますが、中には親が援助をしてくれる、という人もいるでしょう。今回は、特に親からお金を「もらう」時、活用できる制度と注意点をお伝えします。

一定の要件を満たすと「非課税」になる嬉しい制度

 親からの資金提供は大変ありがたいですが、「もらう」と贈与税がかかるのが一般的です。しかし、一定の要件を満たすと「非課税」になるという嬉しい制度があります。

2021年1231日までの間に、父母や祖父母などの直系尊属から、家の新築、購入、増改築の資金提供を受けた際、「省エネ等住宅」であれば、最大で1500万円まで税金がかかりません。「省エネ等住宅」とは、省エネ等基準(断熱等性能等級4もしくは一次エネルギー消費量等級4以上であること、 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上もしくは免震建築物であること)などの条件を満たす住宅です。一方、「省エネ等住宅」でない場合の、非課税枠は1000万円までとなります。

非課税になるための要件は他にもあり、例えば、床面積が40㎡以上240㎡以下であることや、新築であれば、2021年1231日までに契約の締結を終え、さらに贈与を受けた年の翌年315日までに資金の全額を充てて新築を完成させること、などが挙げられます。こうした要件は細かく定められているため、住宅会社の担当者や国税庁のホームページで確認することをおすすめします。

「もらう」以外に、「借りる」「共同で購入する」選択肢も

 「もらう」以外にも「借りる」「共同で購入する」といった選択肢もあるでしょう。
「借りる」場合には、贈与ではないことを証明するため、たとえ家族間であっても借用書を作成し、利息をつけて返済しましょう。親子だからと言って無利息にすると、贈与と疑われる可能性があります。返済については、返済記録が残り税務署などに証明できるよう、銀行振り込みにすると良いでしょう。

「共同で購入する」場合であれば、贈与税はかかりませんが、「共同名義」となります。「共同名義」では、所有権をめぐり争いになってしまったというご家庭もしばしばお見かけするため、十分な話し合いの上、検討していくことが重要です

執筆者: 吉松こころ

鹿児島県伊佐市出身。週刊全国賃貸住宅新聞を経て、2015年に週刊ハローニュースを設立。編集長として、不動産や建築の世界で、目立たずとも、たくましく生きる人々を取材しています。