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手作りでより豊かに!互いの思いを尊重するから ふたりが心地よい暮らしに

2019年10月12日

※本特集は「幸せな家づくり」2017Autumn・Winterに掲載された巻頭特集を再録したものです


日置市在住 福元幸一さん・さゆりさん

幸一さんは現役時代、公務員として長く土木分野に携わる。さゆりさんは11年前にフラダンスを始め、現在では教室も開講。テニス、自転車、登山など共通の趣味も。30代の娘と息子はそれぞれ自立し、孫が3人

一から作ることに、意義を感じて

ガレージの奥に、さりげなく据えられた小さな工房。中をのぞくと、DIY用の工具がぎっしりと並びます。敷地内にありながら、まさに「男の隠れ家」です。
もともと転勤族だった福元さん夫妻ですが、37年前、現在の場所に一軒家を購入しました。住み始めて19年たち、リフォームの必要な箇所が複数出てきたところで、解体・新築を決意。
子ども二人も巣立ち、経済的な状況も違いましたし、何より、〝作る〟部分に関わりたい思いがありました」と幸一さん。建築前のプランニングから関わった新しい家は、エネルギーや資源の有効活用にも配慮。冬場の午後の日差しを効率的に集められるよう最初の家とは向きを変えました。庭に穴を掘ってタンクを埋め、ためた雨水をトイレの洗浄水や、庭の水やりなどに利用しています。
建て替えの過程で、幸一さんは息子さんとともに壁を塗ったり、屋根材の下に雨音を軽減するアルミ材を貼ったり。その流れのまま、自身でも大工道具をそろえ始め、8年前に退職してからは本格的に取り組むように。
素足で歩くのが心地よいフローリングのリビングから外のウッドデッキを眺めると、すぐ目に付くのが木製のテーブルと椅子。この家で最初に手掛けた幸一さんの自信作でしたが、その分、「感想をちょっとコメントしたら、意外だったのかショックを受けたみたいで」と妻のさゆりさん。工房には、そんな思い出もまた詰まっています。

階段を上がった正面に鎮座する鉄道模型のコレクション。ケースも幸一さんの手づくりです。九州にゆかりのある車両に絞っても、4年間でこれだけの数に。「子どもの頃の憧れが、再燃してしまって」と幸一さん。さゆりさんとともに出掛ける鉄道の旅で、実際に乗車した車両も多数。
デッドスペースにぴたりと収納
冷蔵庫横の隙間収納は、寸分の無駄もないサイズ。引き手部分に使った桜の枝がアクセント

テレビを可動式の壁掛けに
蝶番で柱に付けた板に、テレビを取り付けることで、扉のような可動式に。収納を確保し、目隠しにもなる優れものです

使い手の意見で、手づくりが進化

幸一さんの「手づくり第一号」は、娘のために作ったベビーベッド。まだ電動ノコギリさえ持っていなかったころ、さゆりさんが里帰り出産で不在の間に作った力作です。
以前から、互いの趣味自体に意見することはない二人。ただ、幸一さんが作ったものを頻繁に使うさゆりさんは、使い心地を率直に伝えるといいます。第一号のベッドは、孫の誕生時にも使ったという素晴らしい出来栄えですが、「床との間に、足先が入るちょっとした隙間がなくて。それがあれば、使うときにもっと楽よ、と伝えました」。さゆりさんの率直なアドバイスは、現在の家で作ったシンク下収納などにしっかり生かされています。
「これが欲しいと言うと、すぐ〝分かった!〟と作り始めてくれるんですが、男性と女性とでは家具に求める要素が違うものもありますよね。毎日使う女性の要望も最初に聞いて作ってくれるといいですね」とさゆりさん。
幸一さんの自信作は、さゆりさんの趣味である織物のための織り機。1号機をさゆりさんが使い、その意見を取り入れた2号機以降は友人の注文で計5台を製作し、好評です。使い手の気持ちを知るためか、幸一さんは最近、簡単な料理もするように。「手づくり」の追求に、終点はなさそうです。
孫の誕生時にはゆりかごも手づくり。「快適に揺らすための曲線は難しい」と幸一さんは頭をかきますが、リビングのテーブルにも引っ掛けて固定でき、大人とともに食卓を囲める、すてきな気配りがポイント

素材を合わせるから まるで作り付けのよう

玄関の右手にある、ちょっとした小物入れは、ごみを収納しておくための場所。素材の質感・色が外壁とそろっているので、機能的でありながら見た目にもまったく違和感がありません。また、自宅でフラ教室を開講するさゆりさんのレッスン部屋に設置された壁一面の大きな姿見も幸一さんのお手製。手作りのアイテムが、趣味をいっそう豊かにしています。

キッチン・シンク下のスライド収納も、周囲となじむ素材を選ぶことで、後付けとは思えない仕上がり。床との間にわずかな隙間を作ることで、使い勝手が格段にアップ。

夫婦双方の「趣味の空間」を手づくりでより豊かに

広々としたガレージは、工房あり、すき間収納あり、薪置き場あり。天井部分には、キットで作ったものも含め、自作のカヌーやカヤックが。実際に、磯〜桜島間を往復したこともあります。アウトドア好きで、自作でキャンピンカーに改装してしまうほどのこだわりよう!


一方、自宅の一室には、フラ教室を行うさゆりさんのレッスン部屋もあり、壁一面の姿見は幸一さんが設置してくれたそう。手づくりの空間が互いの趣味をいっそう豊かにしています。

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