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同じ広さの家でも実際の面積より広く感じる空間と、その反対に窮屈に感じる空間があります。部屋のつなぎ方や天井の高さ、色彩計画や曲線利用など、違いを感じる要素はさまざまです。
例えば大きな部屋を壁で小さく区切るより、頭の高さの間仕切りや家具などで必要なスペースを生み出す方が開放感を得られます。隙間から向こうの天井や壁が見え隠れすることで、居場所の境界があいまいになり感じ方が変わるからです。同じく中庭やテラスなども視線が先へ抜けて同じ効果が生まれます。
また、床に段差を付けていくつかのスペースを連続させる手法があります。リビングの床を1段下げるステップダウンフロアや、数段上がってスペースをつくるスキップフロアなど、居場所の境界を床や天井の高さで区分けすることで閉じ込められた感覚が消えてゆきます。段差はバリアフリーの観点から好ましくないと思われがちですが、数センチの段差ではなく、はっきりと分かる高さであればつまずくことはないといわれています。
広い空間が好きな人でも、場所によっては程よく狭い方が落ち着く場合があります。玄関やトイレ、小間の和室、プライベートな空間などは広さや天井の高さを意図的に変えてみるのも面白いでしょう。ロフトは建物の階数にも床面積にも含まれない物置スペースとして、建物内の隙間を上手に使った工夫空間です。ただし、一定の条件に当てはまらなければならず、専門家と打ち合わせが必要です。
▲視線が先へ抜けると実際の面積よりも広く感じる空間に!
執筆者:岩田幸千
鹿児島市で千匠設計を主宰。一級建築士。住宅や商業施設、福祉施設などの設計をはじめ、空き家対策活動やヘリテージマネージャー(地域歴史文化遺産保全活用推進員)など古くて価値ある建物に興味を持っている