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特集・コラム

上手な収納で„ゆとりスペース"づくり〜scene3〜

2022年11月28日
 "コロナ"をきっかけに、自宅で仕事をする時間、家族と過ごす時間が多くなりました。これに伴って、住まいにワークスペースやおうち時間を楽しむスペースを設ける世帯が増えています。充実した時間を過ごせる"快適仕事空間"を、自宅に設けてみませんか。
※本特集は「幸せな家づくり」2021Autumn・Winterに掲載された巻頭特集を再録したものです

〜scene3〜
上手な収納で„ゆとりスペース"づくり

 屋内スペースは"収納"によって大きく変わります。限られたスペースを上手に活用するための収納について、整理収納アドバイザー2級認定講師の遠藤陽子さんに聞きました。

遠藤さん宅のキッチン収納。日々の自分の動きや家族の身長なども考慮して、位置や高さを決めたそう。きれいに収めているだけではなく、使いやすさも考えた配置です

家の中のワークスペースづくり

 テレワークのシーンも多い昨今。仕事部屋があるに越したことはありませんが、限りある生活空間の中でワークスペースを設けることもあります。  「緩くでもいいので、ワークスペースは何か線引きをするといいですよ」と遠藤さん。実際に遠藤さん宅は、リビングの一角にワークスペースを設け、ソファで緩く区切った形。「仕事の物が見えてしまうと、リラックスしたいのに仕事を意識せざるを得なくなります。逆に、仕事中はおうちのことが気になりますから」
 そのため仕事の物も、できるだけ見えないよう工夫します。扉の裏や深い収納など、デッドスペースを見落とさないことも、物を上手に収めるコツ。自分がいつもいる位置を考えてスペースを区切り、仕事道具は極力しまえるようにして、快適な生活空間を保ちましょう。

遠藤さんの自宅リビング。意図的にソファで緩い線引きをしています

収納の広さは現状に合わせて

 ワークスペースに限らず、自宅にゆとりのスペースがあると、暮らしは豊かになるもの。そこで大切なのが物を収める「収納」です。
 新築で住まいの収納を決める際、遠藤さんは「自宅に抱えている物の量を基準に決めてほしいです」と話します。今の生活の収納が狭く感じるのなら、あとどれだけ広ければ事足るのか、を考えて決めていきます。
 暮らし方によっても収納は異なってきます。「模様替えを楽しみたいなら置き家具収納を活用し、物が少ないすっきりした部屋に住みたいなら造り付けの収納を確保したいですね」
 収納力が高い家も魅力的ですが、収納スペースが余分にあると、つい物を詰め込んでしまうものです。
 「余分な収納を造らなければ、物は増えず空間も広くなるので、暮らしも自宅仕事も快適になりますよ」
 また、収納自体の容量も、今の暮らしと照らし合わせてみましょう。「もし私が新築するなら、収納は奥行きを深くしすぎないようにします。パントリーなら30㎝で十分。50〜60㎝は収納力がありますが、奥の物が取り出しづらくなるからです」。収納は、収める物に合った奥行きが理想的。余分な奥行きは、使わない物を置く場所になりがちだからです。

ワークスペースをほど良く囲うことで、仕事に集中できる環境を作っています(左)。カウンター下のスペースを収納場所にデッドスペースの活用で仕事道具もすっきり(右)

物の収納場所は"使う場所"へ

 物は使う場所にあるのがベスト。使う場所にその物を収納できるように考えます。「仕事道具はもちろんワークスペースに。生活用品も、例えば毎日リビングを掃除したいなら、リビングに掃除機の収納場所を設けるのがいいですね。暮らしの動線に無駄がなくなり、生活の動作が楽に、スムーズになります」。最初に収納場所をしっかり考えておけば、後の生活が快適になります。  家を建てる人も、今の暮らしの収納を見直す人も、「大事なのは目標を立てること」と遠藤さん。ぼんやりではなく、"こんなインテリアにしたい""このスペースでこんな仕事がしたい"など明確にすることが、収納や片付けの第一歩。「収納がきちんと整っていると、暮らしやすさは格段に変わりますよ

目標を設けた収納づくり

 遠藤さんの自宅で、特に力を入れたというキッチンの背面収納。「背面に作業台とゴミ箱 スペースが絶対ほしい!」という目標を掲げ、メタルラックと収納ケースを使って仕上げたお気に入りの収納です。「わが家には炊飯器は置いてません。鍋で作っています」と遠藤さん。代用できる物を活用して極力物を少なくしていることも、上手な整理収納のポイントです。

□取材協力 「allday today」代表 遠藤 陽子さん
 整理収納アドバイザー2級認定講師。ラジオや婚礼司会などの仕事に携わる一方、暮らしの中の整理収納に関する活動を行っている。