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特集・コラム

【豊かなマイホームキーワード】vol.6 窓のはなし-1

2023年10月31日

 ひとくちに「窓」といっても大きさ、形、デザインなど多彩です。どういう窓を建物のどの方位に付けるかで効果も変わります。居心地の良い空間をつくるには窓の特性を生かした配置が理想です。

 エアコンの無かった時代の古民家は、外壁のほとんどが大きな掃き出し窓で、縁側が付いてその先には深い軒が出ています。窓と庇の関係が夏の日差しを遮り直射日光を室内に入れない夏の工夫です。外の建具と室内側の障子に囲まれた縁側は断熱空間となり冬の対策にもなっています。南面以外にも大きな窓をとり、室内は障子や襖が多く壁が少ない構造で、どの方向からも風が入り室内を風が通り抜ける形態をしています。

 現代の住宅では壁が構造的役割を果たすので極端に減らすことはできませんが、その意味を理解し室内の扉を引き戸にするなど風通しの工夫をすることは可能です。外部窓はアルミサッシ、アルミと樹脂の複合サッシ、樹脂サッシの順に断熱性が高くなり、ガラスも単板硝子、ペア硝子、トリプル硝子、LOW-E硝子などさまざまな種類があります。適材適所に建物に合わせた計画が理想です。

▲アルミサッシの種類(一部)


執筆者:岩田幸千

鹿児島市で千匠設計を主宰。一級建築士。住宅や商業施設、福祉施設などの設計をはじめ、空き家対策活動やヘリテージマネージャー(地域歴史文化遺産保全活用推進員)など古くて価値ある建物に興味を持っている