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特集・コラム

暮らしの中の「快適仕事空間」〜scene1〜

2022年6月22日
※本特集は「幸せな家づくり」2021Autumn・Winterに掲載された巻頭特集を再録したものです
 "コロナ"をきっかけに、自宅で仕事をする時間、家族と過ごす時間が多くなりました。これに伴って、住まいにワークスペースやおうち時間を楽しむスペースを設ける世帯が増えています。充実した時間を過ごせる"快適仕事空間"を、自宅に設けてみませんか。

夫婦で共有するオフィス兼リビング空間

海側から見た中村邸。左から順に、ゲストルーム、オフィス兼リビング、洗面・トイレ・浴室、寝室と書斎(海側に妻の部屋、山側に夫の部屋)/RC造平屋建て、延床面積128.28㎡

 令和2年6月、奄美大島で経営コンサルタント会社「オフィス青音(アオン)株式会社」を立ち上げた元銀行マンの中村安久さん(59)。31年間の鹿児島銀行在職中に、1年間だけ大島支店長として赴任した縁で、銀行退職後に龍郷町に本社を置く酒造会社の社長を4年3ヵ月間務めました。 同社での先進的な「働き方改革」や「女性活躍推進」、大胆な「海外販路拡大」への取り組みが高く評価されてきた中村さんが、若い頃からの念願であった経営コンサルタントとして独立し、龍郷町に新築した自邸のワークスペース活用について、話してくれました。

水平線を眺める絶景地に4つの空間

 目の前に広がる太平洋と大空を望む約730㎡の広い敷地に立つ中村邸は、鉄筋コンクリート造平屋建て。コンクリートの壁で仕切られた4つのユニットが連続するユニークな構成です。 現在、経営コンサルタントとして企業グループ・社の経営顧問を務める中村さんの自宅兼オフィスには来客も多く、海側から見て左端の部屋はトイレ・シャワー付きのゲストルームになっています。

ベランダで本を読む中村さん

 「ゲストルームにはキングサイズとセミダブルサイズのベッドを置いています。子どもたち家族が遊びに来たときにも使いますが、東京や大阪、福岡などの顧問先の社長さん方が来社されたときの宿泊部屋として使うことが多いです」 左から2番目が注目の部屋、オフィス兼リビングです。キッチンシンク・ダイニングテーブル・ソファなどが置いてあり、自邸のリラックス空間にオフィスとしての機能を持たせています。 
 「昨日は、この部屋で不動産業者さんと建設業者さん、そして私と妻の4人で宅地開発計画についてのミーティングを開きました。プリンタ ーが2機設置してあるので、妻と2人でそれぞれノートパソコンで仕事もします。コロナ禍なので、オンラインミーティングは頻繁にやっています」
 さらに、「リビングの延長であるベランダのベンチに腰掛けて海風を浴びながら時々航行する船や飛行機を眺めたりしてリラックスした状態で仕事をしたり、読書をすることもあります。夏は太陽が高い位置を通るので、昼間も日陰ができるように壁の高さを設計してもらいました。とっても快適ですよ」とオフィス兼リビングを無駄なく活用しています。
 左から3番目は、洗面・トイレ・バスルームの機能を持たせたサニタリー空間。そして、4番目が寝室と書斎で、海側に妻の部屋、ウオークインクローゼットを挟んで、山側に夫の部屋を配置しています。「私か妻どちらかの来客があって、一方がオフィス空間が使えないときは、書斎にノートパソコンを持ち込んで資料作成やオンラインミーティングをしています。書籍や資料も書斎に収納しているので、調べ物や読書もここでします」

ダイニングテーブルでノートパソコンを広げればオフィス空間になります

自宅でワーケーション

 奄美大島に自邸を持つことにしたのは、「こんなすてきなリゾート地で暮らしながら好きな仕事ができればと思っていたからです」と中村さん。
 「原則、土曜・日曜は休むようにしていますが、取引先によっては社員のいない休日にじっくり相談したいという要望もあります。そういうときには平日に休んで、週休2日はキープするように心掛けています。自分に余裕がないと、本当に良い仕事はできませんからね」と仕事とプライベートのメリハリを付けている中村さん。
 これから定年を迎えて家づくりを考えている人や、若いうちに家を持とうと考えている人に、次のようにアドバイスしてくれました。

在宅ワークに対応できる家づくり

 「今や人生100年時代です。健康で仕事を続けられる年齢リミットを80歳だとしても、定年退職してから20年はあるわけです。けっこう長いですよね。夫婦2人が健康に暮らせて、年金だけじゃ心細いから仕事もして。そうすると、外に出掛けて行って仕事をされる方もおいでだとは思いますが、これからの社会の有り様を考えると在宅ワークってのもあるのかなと。そういうことを念頭に置くと、家を造るなら自宅内のどこかにワークスペースを確保した方がいいと思います。例えば、自宅外に事務所を構えるとなると家賃に光熱費と固定費が掛かってもったいないですもんね。通勤もしなくていいんですから」
 そうすると、自宅にワークスペースを設けておくと必ず役に立ちます。良い住環境の中で、良い仕事を請け負って、良い成果物を納めて、副収入を得る。これからの若い方々の働き方はそうなっていきますよ。オンライン会議用の壁紙を選ぶのも楽しいかもね」。
 ぜひ、自宅での働き方改革の参考にしてみませんか。

中村さん撮影の「幸せを呼ぶダブルレインボー」と夜景も美しい中村邸

□中村邸の設計&写真協力 株式会社酒井建築事務所 取締役 酒井一徳さん