鹿児島の家、新築・リフォーム応援サイト!

気軽に立ち寄って ハウジング・カフェ

アンビルドの女王 ザハ・ハディドの初期建築物を見たくてドイツへ

2020年7月10日
ヴィトラにある、アンビルドの女王 ザハ・ハディドの初期建築「ファイヤーステーション」が見たくて…

20年前の話になりますが、ちょうど西暦2000年の年に、ヨーロッパ4か国を巡り、その中でスイス バーゼルの隣接市ドイツのWeil am Rheinにあるヴィトラに工場訪問をしました。工場見学が目的ではなく、その敷地内にある建物と、椅子コレクションを見たかったからです。

Vitra(ヴィトラ)全景【ヴィトラ・キャンパスの全景】

ヴィトラはスイスの家具メーカーで、そのオーナーはデザインについて造詣が深く、世界の建築家の発掘の場として敷地内に、若手建築家を起用して建物を建てていました。

2000年当時はアメリカで買い付けてきたバックミンスター・フラーのドーム、フランク・ゲーリーのヨーロッパ初作品の美術館、安藤忠雄の海外初作品のカンファレンスパビリオン、ザハ・ハディド初の建築物ファイヤーステーションなどと、1981年の大火災後に建てられた自社施設群がありました。

【バックミンスター・フラーのドーム(左)】

 

【フランク・ゲーリーの美術館】2点とも

 

【安藤忠雄のカンファレンスパビリオン】

 

一番のお目当ては、当時アンビルドの女王と言われたザハ・ハディドの建築。2020年東京オリンピックのメインスタジアムコンペ優勝者で、またまた、アンビルドになって日本でも有名になりましたが…。そんなザハの初の建築物がどんなものか見てみたくて訪問しました。

【ザハ・ハディドのファイヤーステーション】

当初、ファイヤーステーションとして建てられましたが、訪問時はデザインミュージアムとして、世界中の椅子のコレクションの展示や展覧会場として利用されていました。

建物は、コンクリートでここまでシャープにできるのかと驚くとともに、なるほどアンビルドの女王と言われるゆえんだと思わされました。

また、展示物の名作椅子のコレクションは、トーネットをはじめ、1900年初頭に工業化された椅子のコレクションが多く、今日よく見かけるデザインはこのころの技術の応用から成り立っていることが、よくわかるコレクションでした。

©Vitra

現在はさらにたくさんの建物が増設され、「Vitra Campus and Vitra Design Museum 」として、見学ツアーやイベントが開催されているようです。デザインや建築に興味のある方にはぜひ訪問してほしい名所の一つだと思います。

 

Vitra Campus and Vitra Design Museum

住所: 79576Baden-WürttembergWeil am RheinCharles-Eames-Str. 1

電話: +49 7621 7023200  ウェブサイト: www.vitra.com

この記事を書いた人

kozi.s
kozi.s
一級建築士、インテリアデザイナー

デザインと旅が好き