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前回に続きご紹介するY邸は、日々多くの建築に携わる施主(Yさん)が “自らの経験や知識”を元にコダワリを実現した住まい。
今回は、「空調設計」を中心に通風・採光・愛猫への想いが詰まった家づくりのポイントをご紹介します。
屋久杉の木壁と塗壁との調和が美しい佇まいのY邸は、敷地の高低差をうまく生かした設計と窓・換気選びが重要なポイント。
地理的に北北西の風が吹くことが多いため、北西側と対角線上の南面に窓を設置し風の通り抜けを考慮。更には「春や秋は自然の風を利用して、室内環境を最適にしたい―。」「夏・冬は気温の影響を抑えたい—。」という想いを実現する為、対角線上のダイニングルーム・南面正面の窓には縦滑り出し窓を採用しました。
「縦滑り出し窓にすることで、平面窓より3倍ほど風の通りが良くなると思います」とYさん。
そのお話通りに「FIX窓+両袖縦すべり出し窓」を採用したダイニングでは、採光と自然の風を感じながら食事が出来る、気持ち良い空間がありました。
※縦滑り出し窓…ドアのように左右のどちらかの縦枠を軸に外側に開放する縦長の窓。窓開口の角度が90度近くまで開く為、風の取り込みに適し「ウインドキャッチ」にも有効など、より多くの通風が期待できる窓です
また、Y邸では第一種換気(※)を「ダクトレス」にこだわり採用しています。「建物の気密性を高める事はもちろんですが、熱い空気や冷たい空気の出入りを最小限に抑える為、第一種換気を選びました。中でもダクトレスが気に入っています!」とYさん。
※第一種換気とは、給気、排気ともに機械換気の方式です。 換気機器の機種ごとに「1時間当たりに換気できる風量」が決まっているため、空間に応じた機種を選べば必要量の換気を計画的に行うことができます。 居住空間から非居住空間まで、幅広く採用されている換気方式です。
イニシャルコスト・ランニングコストの魅力から、最も採用されている第三種換気(排気のみ機械換気)に比べ、導入費用がかさむ傾向にあります
▲第一種換気の外部装置
▲第一種換気の内部装置
一般的な第一種換気では、換気はダクト(配管)を巡らせる方法を取りますが、Y邸では4箇所に「ダクトレス」を採用。熱の損失を抑え、一定の室温が保ちながらも、ダクト式第一種換気のデメリットでもあった「ダクトのメンテナンス負担」を考慮されています。
「ダクトは内部にホコリがたまりやすく掃除が必要ですが、この装置にはないので掃除も楽ですよ」と笑顔。
70秒ごとに内部と外部の空気の入れ替えができ、湿度調整にもつながる第一種換気ですが、メリットだけでなく、永く快適に住むためにも検討しておきたいデメリットもあります。
一生に一度とも言える家づくり。何を優先したいか—から、選ぶ事が大事ですね。
前回も登場した愛猫(おもちくん)への想いが詰まった家づくりもY邸の見どころのひとつ。
例えば、ダイニングの一角に設けられた奥様が座ってパソコン操作をするワークスペースには下部を愛猫用のスペースに造作し、換気扇付の猫専用トイレを用意しました。
▲ワークスペースの右隣に愛猫の出入り口と専用の換気扇付きの猫トイレ
▲丸くてかわいい出入り口と専用のドア付きで掃除もしやすい
愛猫の使いやすさだけでなく、掃除用の開閉扉で隠す設計にすることで室内はすっきり。家族みんなにストレスの無い、心地良い空間になっています。
また、ペットと暮らしたい際に、もう一つ工夫したいのが「爪とぎ」。「壁をクロスではなく塗り壁にすると、猫が爪とぎをためらう効果があるんですよ。」と優しい眼差しを愛猫(おもちくん)に注ぎながら、教えてくださいました。
住まいの見た目だけでなく、愛猫を考えた暮らし、素敵ですね。
快適な室内環境をつくるために、Yさんが大切にしたことは特別なことではありません。「一度家が建ったら、簡単に断熱材や設備を入れ替える事は出来ないですよね。だから、新築計画時に断熱材や通風・採光をしっかり考える。断熱材を吟味したり、気密性の確保や将来的なメンテナンスも考える事が大事だと思います。」と話すYさん。
もちろん、仕様をグレードアップするとコストもかさばる為、家づくりにおいては「何を優先したいか」が大事となってきます。
譲れないものをグレードアップしたり、少しの工夫で快適性を上げるなどもセンチュリーハウスでは得意とされています。Y邸のような完全自由設計も対応可能との事なので、是非お気軽に相談してみては。