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特集・コラム

【豊かなマイホームキーワード】vol.5 工夫のある収納-2

2023年10月4日

 前回に続き、マイホームの収納計画がテーマです。昔から収納の定番とされる押し入れは奥行きが90㎝程あり、布団の収納には重宝しますが、それ以外の物をしまうには奥の物を取り出しにくく、使いやすい収納とはいえません。奥行きは簡単に変えられないので、どこに何を収納するか初めに計画しましょう。実は奥行きよりむしろ壁面の広さの方が使い勝手の良い収納につながり、棚の高さが自在に変えられる「可動棚」が便利です。

▲廊下の広い壁面を使い勝手の良い収納にした例

 長い物や季節の物で頻繁に出し入れをしない物は室内倉庫やロフトなどの設置が考えられますが、ロフトの階段は荷物を持っての昇降となるので安全な階段を設置しましょう。倉庫スペースを確保しづらい場合は、例えばテレビの位置を1m程度前に出して、その裏の部分を生活用品収納スペースにすると、収納だけでなくテレビや周辺機器、インターネット配線のスペースとしても活用できます。
 しかし、収納の工夫と同時に持っている「物の量」にも目を向けましょう。どんなに収納力を増やしても物が多いとすぐにパンクしてしまいます。本当に必要な物だけを残す工夫が大事だといえます。

▲テレビ台裏を長物などの収納場所に。可動棚も設置


執筆者:岩田幸千

鹿児島市で千匠設計を主宰。一級建築士。住宅や商業施設、福祉施設などの設計をはじめ、空き家対策活動やヘリテージマネージャー(地域歴史文化遺産保全活用推進員)など古くて価値ある建物に興味を持っている